上咽頭がんとは

上咽頭がんは初期症状というものはあまりありません。ある程度進行すると頸部リンパ節に転移することによる首の腫脹があります。また、鼻出血・鼻づまり・難聴・痰に血が混じるなどの症状がでる場合があります。その他、脳神経が癌で圧迫されることで視覚障害や疼痛などになることもあります。上咽頭癌は低分化型扁平上皮がんの割合が高いことから、肝臓・肺・骨をはじめとして遠隔転移がよく起こることが知られています。
上咽頭がんは日本では患者数は少なく年間発生数は500程度と推定されています。男性のほうが女性より3倍多く、年齢的には30歳以下の若い世代にもみられますが、40代以降の中高年層に頻発しています。上咽頭がんは中国南部・台湾・東南アジアに多発していることから、この地域で昔から食されている塩蔵魚が発生要因の一つであるとが確実視されています。また、EBウイルスやHLAの多型との関連を指摘する研究者もいます。

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上咽頭がんの検査と治療

上咽頭がんの診断には視診と組織診断があります。また並行してCT検査やMRI検査などで画像診断もします。視診は口腔内から後鼻鏡で調べるやり方と、ファイバースコープを鼻に入れて直接患部をみるやり方とがあります。組織診断はまず局所麻酔をした上で、鼻からネラトンカテーテルを入れることで軟口蓋を前に出し、それから癌組織を採取するという方法です。
上咽頭は鼻の突きあたりに位置し、根治手術をするのが非常に困難な部位といえます。治療にあたっては主として放射線治療が行われます。リンパ節転移がこれでなくならない場合はリンパ節郭清術で切除することになります。抗がん剤を使った化学療法も効果があり、放射線療法の補助的な役割として位置づけられます。
上咽頭ガンは高線量の放射線をあてますので治療後に色々な副作用がでてくる可能性があります。その中でも難治性の慢性中耳炎や滲出性中耳炎はよく起こることが知られています。また、唾液腺障害による唾液低下のために長期的に口腔・咽頭乾燥感が残ることがあります。
上咽頭がんの生存率は、国立がんセンターの情報によると5年生存率で約50%となっています。ただし、この数値は患者さんの年齢・治療内容・合併症があるかどうかで変化します。ですので、あくまで大まかな目安というふうに捉えてください。